もう10年以上も前の事件にはなりますが、グルーポンおせち事件を覚えているでしょうか?
これは商品告知と全く異なる、中身がスカスカなおせち料理が届いたことで波紋を呼んだ事件です。また、お正月用のおせち料理の宅配、つまり真冬の配送にも関わらず、食品が腐敗していたということも問題になりました。腐敗の原因は、本来冷凍冷蔵車で配送されるべきところを常温で配送されてしまったことが挙げられています。
食品にはそれぞれ適切な保管温度があり、間違った温度で管理してしまうと、この事件のように食材に菌が繁殖して腐敗するといったことが起きてしまいます。
同じ商品でも季節によって管理温度が異なることがあります。例を見ていきましょう。
① 生花
夏季:気温20~25℃のラインで配送方法が変わり、気温が上回るとクール便での配送・下回ると常温での配送とするところが多いようです。
冬季:雪が降るような寒い地域では、常温での配送だと庫内温度より外気温の方が低くなってしまい生花が凍ってしまうことがあるため、凍結を防ぐためにクール便で一定の温度を保ち定温輸送することがあるようです。
② 青果物
夏季:食品の種類によって異なりますが、基本的にはクール便での配送となるようです。
冬季:こちらも生花と同様で、庫内温度より外気温の方が低くなってしまうことによる凍結を防ぐためにクール便での定温輸送を行うことがあるようです。
一般的に冷蔵冷凍車と聞くと商品を冷却するために使用される車輌というイメージを抱きますが、上の例のように冷却目的ではなく外気温より高い温度で管理するために使用されることもあるのです。
つまり、冷蔵冷凍車は商品を適切な一定の温度で管理・輸送するために使用される車輌であり、「温度管理車」なのです。
では、そもそもなぜ冷蔵冷凍車のような温度管理車が生まれたのでしょうか。
背景には「コールドチェーン(低温物流体系)」と呼ばれる仕組みが関係します。
この仕組みを生み出した富永シヅさんは、国産第1号の冷凍車を作った人でもあります。
冷蔵庫すら普及していない1958年に米軍基地から食品輸送の要求を受けたことが、富永シヅさんが冷凍車を作るきっかけとなったようです。
日本での前例がない開発をやり遂げた女性、とてもたくましく尊敬します✨
コールドチェーンとは、冷蔵・冷凍といった所定の温度を維持したまま、生産から輸送、保管といった流通プロセスを鎖のようにつなげる仕組みのことです。
コールドチェーンが普及したことにより発生した生産者・運送会社へのメリット・デメリットを紹介します。
【メリット】
① 食品廃棄ロスの削減
保管方法が常温のみだと販売期間が非常に短くなり、期間を過ぎると廃棄せざるを得なくなります。商品によっては1日で大量の廃棄が発生する場合もあります。
しかし、商品ごとに適した温度での保管・流通が可能になったことで、長期的に販売可能な状態に保つことが可能です。
② 広域での流通
コールドチェーンがない状態だと、温度管理が必要な商品は限られた範囲・ルートでの販売になってしまいます。コールドチェーンがあることで実店舗等がなくても、温度管理の必要な商品の販売が可能です。
【デメリット】
① コストがかかる
商品によって管理温度は様々であり、生産~流通の全ての過程において温度管理が必要になるため、それぞれに適した設備を準備する必要があります。そのため常温保管よりコストがかかってしまいます。
・冷蔵・冷凍車のことなら、日本ラッセルへ!
今回は温度管理車とされる理由や生まれた背景についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
日本ラッセルでは様々な冷凍機を取り扱っており、修理やカスタマイズ等も行っております。
お困りのことがございましたら、ぜひ日本ラッセルへお問い合わせください。
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