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毎月、冷蔵・冷凍車に関する話題を取り上げてきましたが、そもそも冷蔵車と冷凍車の違いとは何でしょうか?
今回は、冷蔵・冷凍車の仕組みや構造について、ご紹介していきます。
■冷凍車と冷蔵車、保冷車の違い
荷室の温度管理ができる冷蔵・冷凍車両ですが、管理できる温度帯や機能によって「冷凍車」「冷蔵車」「保冷車」と大きく3つに分けられます。
「冷凍車」は管理される温度帯がさらに細分化されます。
今回は管理する温度帯が低い車両から順に、簡単にご紹介します。
【低温冷凍車】―マイナス15度以下―
低温輸送車両の中で最も低い温度管理が可能です。
車両には冷蔵・冷凍車の中でも最も出力が大きい冷凍機が搭載されており、断熱性能についても高いパネルが荷箱にもりようされています。
業務用冷凍庫に匹敵する非常に高い冷却能力があり、冷凍食品・アイスクリーム・傷みやすい鮮魚などの運搬に最適です。
【中温冷凍車】―マイナス5度前後―
低温冷凍車の次に高い温度管理能力を実装しており、鮮魚や精肉などの生鮮食料品輸送などに活用されます。
中温用の冷凍機を搭載しており、低温用よりは出力が小さいものになります。また、断熱性能についても低温用よりも低いものが多く、その分積載できる荷物は低温冷凍車よりも多く載せられる冷凍車が多いです。価格についても低温冷凍車よりは安い傾向にあります。
【冷蔵車】―5度前後―
一般的には冷凍機については中温冷凍車で使用される出力のものが最小な為、低温冷凍車・中温冷凍車の温度帯を高めに設定し、氷点下まで冷やさないで使用しているものを冷蔵車としています。
ご家庭にある冷蔵庫のように、常温では保管が難しく、凍らせる必要はないものの運搬に利用されます。
【保冷車】―10~20度―
冷蔵・冷凍車のように冷凍機が搭載されていない車両です。一方で、クーラーボックスのように荷室に断熱材を使用する事で荷室の温度上昇を防ぐ車両です。
エネルギー消費も少なく、運送・配送の温度条件がそこまで厳しくない荷物、短時間・短距離での配送などに利用されます。
■冷蔵・冷凍車の冷却方法の違い
また、冷蔵・冷凍車の冷却方法には3種類の冷却方法、機械式、窒素式、蓄冷式があります。
現在はほとんどの冷蔵・冷凍車で機械式が導入されていますが、運送する荷物や状況によっては窒素式や蓄冷式が適している場合もあります。
【機械式】
エアコン・クーラーと同じ原理で荷台の冷却を行う機械式。
温度調節がしやすい為、最も多く利用されている方式です。
冷凍機には、冷却のための4つの部品が搭載されています。
・コンプレッサー
冷媒を圧縮して高温・高圧にしたガスを送る
・コンデンサー
受け取ったガスを外気で冷却し、液化冷媒に変える
・膨張弁(エキスパンションバルブ)
減圧をして液化冷媒の圧力を下げる。
・エバポレーター
液化冷媒を気化させ、ボディ部分の空気を冷やす
この冷却装置の動力は、“専用のエンジンを使用する方法(サブエンジン方式)”、“車両のエンジンを使用する方法(メインエンジン方式)”の2種類があり、一般的に後者の方式が多く利用されています。
専用エンジンを使用する方式では、車両のエンジンを切っても荷台が冷却され続けるため、長距離移動が多い業者には最適です。
機械式のメリットは、保冷時間に制限がなく、コントロールがしやすいため、どのような状況でも使いやすいことです。
【窒素式】
窒素式は、液体窒素を使って荷台の温度を下げる仕組みで、特に傷みやすい鮮魚や精肉の運送に適しています。
沸点-196℃の液体窒素を使うので、他の冷却方式と比べて最も冷却効率が高く、荷台温度を-40℃以下にまで下げる事が可能です。最も低い温度帯を早期に実現できるで方法なので、マグロなどの鮮度がすぐに落ちてしまうものの運搬などに利用されています。
【蓄冷式】
予め凍結させた冷凍板の冷気で庫内の温度を一定温度に保つ仕組みです。
冷凍板は、主に夜間や配送に使用しない時間帯に電力で冷凍機を稼動し凍結させます。
蓄冷式の冷却時間は約8時間ほどで、エンジンを切っても荷台の温度が急激に下がらないので、頻繁に積荷の積み下ろしがある青果・ケ-キ類の運搬に適しています。
■冷蔵・冷蔵車のことなら、日本ラッセルへ!
今回は冷蔵・冷凍車の違い・仕組みについて、ご紹介させて頂きました。
冷蔵・冷凍車の導入には、事業や荷物に合わせた温度帯、温度帯に合わせた断熱材の選定が重要です。
日本ラッセルは冷凍機の専門家として50年以上の実績があり、お客様がご希望される積荷から最適な冷凍機をご提案させて頂きます。
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